トップへ戻る

弁護士法人 ALAW&GOODLOOP | 福岡・北九州および長崎の企業法務、法律顧問契約、法律相談

コラム

取引先の倒産に対する上手な対処法 (取引先の信用情報の収集と債権の保全の方法)

投稿日

2017.06.26

投稿者

川上修

カテゴリー

その他企業法務全般

債権の整理・回収

1 日ごろの債権管理の重要性について
御存知のとおり、取引先が倒産してしまうと、売掛金や貸付金(以下まとめて「債権」といいます。)の大部分が回収不能となります。私の経験から申し上げますと、何の備えをしていない債権の場合は、額面の数%を回収できればいい方で、全く回収できないということも珍しくはありません。
このように、取引先が倒産した後に慌てて債権を回収しようと思っても間に合いません。しかしながら、普段からきちんとした債権管理をしておけば、取引先が倒産したとしても回収不能のリスクを最小限に押さえることができます。
債権管理で重要なことは、①取引先の信用情報の収集と②債権の保全の2つです。
以下は特に重要なものだけをピックアップさせていただきたいと思います。

2 取引先の信用情報の収集方法の一例
(1) 取引先の組織や財産状態の調査の具体的な方法
① 最新の商業登記簿謄本で資本金や取締役といった基本的な情報を収集する。
② 会社や代表者が有する不動産の登記簿謄本を取得して、借入れの状況や担保余力をチェックする。

③ 直近3期分の決算書、資金繰予定表で取引先の財務状態をチェックする。
④ 売掛金や銀行預金を差し押さえるために、取引ルートやメインバンクを確認しておく。
(2) 信用状態悪化の兆候の一例
① 支払猶予や支払条件変更の申し入れ
② 主要取引銀行の変更
③ 商品の廉価販売や固定資産の売却
④ 役員の離脱
⑤ 融通手形の申入れ

3 債権の保全の方法の一例
(1) 会社や代表者の土地建物に抵当権を設定する。
(2) 会社の在庫や売掛金に譲渡担保権を設定する。
(3) 所有権留保特約を締結した上で、商品を販売する。
(4) 連帯保証人をつける。
(5) 取引先に債務を負っている場合は、債権と相殺する。
(6) 商事留置権、動産売買先取特権、代理受領を利用する。
(7) 手形を併用する。
(8) 公正証書(強制執行認諾約款を必ず入れる)にしておく。

4 上記で紹介した事項を一度チェックしてみることをお勧めします。
これ以外にも様々な債権管理の方法がありますので、具体的な方法につきましては、弁護士に御相談いただければと思います。