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コラム

クレプトマニア⑪

関五行

投稿日

2021.09.24

投稿者

関 五行

カテゴリー

刑事

関五行

弁護士の関です。

今回はクレプトマニア(窃盗症や窃盗依存症ともいいます。以下では、「クレプトマニア」に統一します。)を取り巻く昨今の状況についてお話ししたいと思います。

クレプトマニアという言葉も大分有名になってきました。ネットニュース等でこの言葉を目にすることも増えましたし、正確な意味はともかく何となく知っているという一般の方も少なくないのではないでしょうか。私が弁護士になったのはまだ10年と少し前に過ぎませんが、その時と比べても隔世の感があります。

しかも単に一般に知られただけでなく、クレプトマニアに対応可能な医療機関や自助グループも全国的に増えてきました。もはや私が把握していない情報の方が多く、相談に来られた方から教えていただき毎回驚くような状況です。

勿論、このままもっともっと社会的な認知が高まればいいなと考えています。

しかしそれでも、ご自身ないしご家族がクレプトマニアに罹患している可能性がある場合、身近なところに相談する相手や受診する医療機関がなく、困難な状況に陥っている方が後を絶たないのが実情です。言うまでもなく東京や大阪といった大都市圏ほどクレプトマニアに対応できる機関は多く、主に土地的要因で相談や治療の道が阻まれている場合がほとんどです。

私もよくお電話での相談などを受けますが、(私に相談される段階で身体拘束を受けていることが多いご本人はともかく)ご家族すらとても福岡までは物理的に相談に来られないようなことが少なくありません。その場合は、何とかその方の居住地から行くことのできる場所を調べてご紹介したり、ご案内することにしています。

弁護士から見ても、せっかく本人やご家族がクレプトマニアに罹患している可能性を認め(実はここが一番ハードルが高いことはすでにこれまでのコラムでも述べてきた通りです)、もっとクレプトマニアのことを知り、治療に取り掛かろうと考えているにもかかわらず、近くに対応可能な施設等がないため、断念したり、時間が必要以上にかかってしまうことは大変残念なことです。

お住まいの場所にもよりますが、少なくとも東京には対応可能な医療機関等があります。折角調べて連絡してきた方に無下な対応をするようなところはほとんどないはずです。

折角の治療の機会を逃さず、勇気を持って各機関、施設にご連絡してみて下さい。

以上