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コラム

請負に関連する債権法改正について

投稿日

2020.05.01

投稿者

川上修

カテゴリー

その他の民事・家事事件

その他企業法務全般

平成29年5月26日、民法の一部を改正する法律が成立しました。今回の改正は、一部の規定を除き、令和2年4月1日から施行されています。今回は、改正のうち、特に住宅販売や請負に関連する部分をピックアップして説明していきます。

 

1 売主の瑕疵担保責任について

改正前の民法では、売買契約の目的物に「隠れた瑕疵」があった場合は、売主は瑕疵担保責任を負うとされていましたが、今回の改正により、「隠れた瑕疵」は「目的物の種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しない(契約不適合)」と改められました。

また、改正前の民法では、瑕疵担保責任に基づく権利として、損害賠償請求権と解除権が認められていましたが、これに追完請求権と代金減額請求権が追加されました。

さらに、改正前の民法では、売主が瑕疵担保責任を追及する場合、瑕疵を知って1年以内に、買主に対する「権利行使(請求)」が必要とされていましたが、「通知」で足りると改められました。

 

2 請負人の瑕疵担保責任について

改正前の民法では、建物等の請負契約においては、目的物に瑕疵があり、契約の目的物が達成できない場合であっても、注文者は契約の解除ができませんでしたが、改正後の民法では、解除ができるようになりました。また、注文者には、代金減額請求権も認められるようになりました。

 

3 債務不履行に基づく損害賠償請求について

改正前の民法においても、債務不履行責任に基づく損害賠償請求をするには、債務者の帰責性が必要とされていましたが、改正後の民法では、帰責性は債務者の抗弁事由と明確に位置付けられることになりました。

また、改正前の民法においては、原始的不能の契約については明文規定がなく、損害賠償請求ができるとしても「信頼利益」に限定されると考えられていましたが、改正後の民法では、原始的な履行不能は損害賠償請求を妨げないと明記され、要件を満たせば、信頼利益のみならず履行利益の請求もできることになりました。

 

4 契約解除について

改正前の民法においては、債権者が契約解除をするには、債務者の帰責性が必要とされていましたが、改正後の民法では、債務者に帰責性がなくとも、債権者は契約を解除することができるようになりました。なお、債権者に帰責性がある場合は、解除は許されないとされています。

 

5 請負人の報酬について

改正前の民法においては、請負契約が中途で終了したときの請負人の報酬について、明文規定はありませんでしたが、改正後の民法においては、明確に分けられる部分によって注文者が利益を受けるときは、請負人は、その利益に応じて報酬を請求することができると明記されることになりました。