弁護士の関です。
早いもので私がクレプトマニアクレプトマニア(窃盗症や窃盗依存症ともいいます。以下では、「クレプトマニア」に統一します。)というタイトルで書くようになったコラムも、本コラムで16本目を数えるようになりました。
最近はこのコラムを読んだという方から事務所宛に連絡をいただくことも多く(そしてその頻度は段々と増しているようにすら感じます)、大変有難いなと感じるとともに、いかにクレプトマニアの症状に悩む方が相談する場所の情報を有していないかを痛感いたします。
ご連絡いただく方は、勿論クレプトマニアの方ご本人の場合もありますし、そのご家族(圧倒的にご両親が多いです)や一般論としてクレプトマニアに興味をお持ちの方など色々です。
そういった方々とお話しすることは私にとっても非常に貴重な経験ですので、当然拒むものでは全くないのですが、少し気になるのはやはり相変わらずと言うか、ご自分やご家族がクレプトマニアに該当するかどうか自己判断している方が散見されることです。
私もこのコラムで繰り返し述べているように、クレプトマニアに当てはまるか否かは、専門的知識を有する医師等でなければ診断することはできません。例えば、昨今、インターネットで検索すれば、いくらでもクレプトマニアの診断基準が見つかると思います。
しかしながら、それらはあくまでも目安に過ぎないのであって、実質的に基準に合致するかは私を含め素人では判断できません。
これまで私が担当した方だけでも、明らかに診断基準に合致しないと思われるのにクレプトマニアの診断された方が何人もいます。その逆も然りです。
まるで自分がクレプトマニアに該当することを当然の前提として話を進める方が多くいますが、その根拠を確認すると単なる自己診断であることが少なくありません。言うまでもなくそのような判断に基づいた治療ないし弁護方針などその土台が簡単に揺らいでしまいます。
仮に自分がクレプトマニアであった場合、今後どういった症状が出るのか、治療はどういったものを受ければいいのか、それらが心配になるのは当然のことです。
しかし、その大前提として、まずは自分がクレプトマニアに該当するか、きちんと医師に判断してもらう。それが全ての出発点であることを忘れないでいただきたいと思います。
以上