こんにちは。
弁護士の井上瞳(いのうえひとみ)です。
私は、これまで離婚・男女問題の解決に注力してきました。
その中で、養育費の不払いに関するご相談をいただくことがあります。
養育費は、お子様を育てるために必要なため、支払われなくなると本当に困りますよね。
今回は、「養育費の支払いが止まった場合」の対処法について解説します。
・対処法① 電話、メール、SNS等での催促
まずは、相手方に、電話、メール、SNS等を通じて支払いを催促するのが穏当な方法です。
この方法には、費用が少額で済むというメリットがあります。
相手方と養育費の支払いについて改めて合意をした場合には、執行認諾文言がある公正証書を作成しておいた方がよいでしょう。
なお、電話よりも、請求したという事実が証拠として残るメールやSNS等での催促が望ましいです。
・対処法② 内容証明郵便による催促
対処法①の催促を行っても相手方から養育費の支払いがない場合や、そもそも相手方と直接連絡を取ることができない場合は、弁護士に依頼して、内容証明郵便を送ってもらう方法があります。
相手方の住所がわからない場合、弁護士に依頼すれば、弁護士会照会により、住所を調査できる可能性があります。
対処法②の場合も、養育費の支払いについて改めて合意をした場合には、対処法①の場合と同様、執行認諾文言がある公正証書を作成しておいた方がよいでしょう。
・対処法③ 調停の申立て
合意書がない場合や、合意書があってもそれが公正証書でない場合には、養育費を請求する調停を申し立てる方法があります。
調停では、養育費の金額について相手方と話し合いをして、話し合いがまとまらない場合、審判手続に移行し、裁判所が養育費の金額について判断してくれます。
調停や審判で養育費が決まった場合、決まった事項が記載された書面に基づいて、対処法④や対処法⑤の方法をとることができます。
・対処法④ 履行勧告、履行命令
調停や審判で養育費の支払いについて決まったにもかかわらず、相手方が養育費を支払わない場合、裁判所から相手方に対して養育費を支払うよう勧告してもらったり(履行勧告)、命令してもらう(履行命令)方法があります。
履行勧告に法的拘束力はありませんが、裁判所から相手方に連絡がいくことで、相手方に心理的なプレッシャーを与えることができます。
履行命令なされたら、その命令に従わない場合、相手方に罰則(過料)が科される可能性があります。
・対処法⑤ 強制執行
執行認諾文言がある公正証書がある場合や、調停、審判、裁判で養育費の支払いについて決まっている場合は、強制執行を申し立てることができます。
具体的な流れとしては、裁判所へ強制執行の申し立てを行い、相手方の給与、不動産、自動車などの財産を差し押さえてもらうことになります。
相手方の財産がわからない場合は、弁護士に依頼するなどして、相手方の財産の調査を行う必要があります。
養育費の支払いが止まった場合は弁護士に相談を!
当事者間の話し合いではなかなか話が進まない場合があり、弁護士に相談いただくことで、スムーズに解決する可能性が高まります。
また、裁判所に提出する書面の作成や相手方の財産調査など、面倒な手続きを弁護士にすべて任せられるというメリットもあります。
養育費が支払われないことでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。