弁護士の永留です。私が裁判官退官した年に購入した「国家は破綻する」(ラインハートとロゴフの共著、日経BP社)をネタにして、お話します。
ギリシャという国は、オスマン・トルコ帝国の支配下から、1829年、19世紀に独立した若い国です。
そして、この国は19世紀中独立前のものも含めてなんと合計4回、20世紀中にも1回、デフォールト(債務不履行)、要するに借金をふみ倒した前歴があり、いわば借金踏み倒しの常習犯。(「国家は破綻する」から引用)。
21世紀になってまだ、たかだか17年ですが、今回2回目。
1970年代当時のシティバンクCEOウオルター・リストンが「国家は破産しない」と言ったそうです。
マーケット関係者たちの間では、「おっしゃるとおり国家は破産しない、
その国家に金を貸した間抜けな銀行が破産する。」という声がしきり。
ハッタリ屋の首相チプラスやあのノーネクタイの無作法な財務大臣ならば、「そんなギリシャに金を貸したあなたが悪い」と言いたくなるかもしれません。
しかしながら、やはり金を借りたならば、返さなくてはなりません。
第2次世界大戦前のある国に金を貸した国際金融界におけるアメリカの実力者がその国が金を返さなかったときはどうするのかと質問されて一言「WARSIPPU(軍艦)」と答えたそうです。ある国が借金を支払わないときは、合衆国海軍の軍艦を債務国に派遣してもらうということでしょうか。
これは、冗談ではありません。これも「国家は破綻する」からの引用。
イギリスによる実例。1882年のエジプト侵攻。1876年トルコがデフォールトを起こしたときのイスタンブール占領。
アメリカ合衆国にも実例あり。1890年代半ばのベネズエラでの「砲艦外交」の展開。1915年のハイチ占領などなど。
21世紀の現代さすがに「砲艦外交」はないでしょう。
まして、国家でない、一般市民が同じく一般市民に対して金を貸した場合の債権回収は難しい。
まさにそんなとき、われわれの弁護士法人にご相談下さい。