請負契約の請負人が引き渡した目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合は、請負人は契約不適合責任を負うことになります。
注文者が請負人に契約不適合責任を追求する場合、まず相当の期間を定めて追完を請求します(例えば補修工事など)。請負人が追完に応じない場合や追完が不能であることが明白な場合は、注文者は代金の減額を請求し、さらに契約の解除や損害賠償を請求することもできます。
ただ、注意しなければいけないのが、注文者は契約不適合の事実を知ったときから1年以内に不適合である旨を請負人に通知しなければなりません(令和2年4月1日以前に締結された契約については旧法が適用されるため、引渡しから1年となります。)。ただし、請負人が不適合を知っていたときまたは重大な過失によって知らなかったときは、その限りではないとされています。
契約不適合責任は、特約によって排除することが可能です。ただし、請負人は、知りながら告げなかった事実等についての契約不適合責任については免れることができません。また、新築住宅の工事請負契約については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の契約不適合について、引渡しから10年間負うとされており、特約によって責任を免れることはできません。
川上 修
平成18年 司法試験合格(60期)
令和4年 麻生建築&デザイン専門学校 建築学科 卒業
令和4年 一級建築士学科試験、同二級建築士学科試験 合格