記事一覧
2023.12.21
今回は,特別寄与料と遺留分侵害額請求権について述べた,近時の最高裁決定(令和5年10月26日)をご紹介します。
まず,制度の概要について。
①「特別寄与料」は,平成30年の民法改正により,新たに設けられた比較的新しい仕組みです。たとえば,被相続人の子Aの配偶者Bが,被相続人の療養看護に特 ...
2023.10.30
請負契約の請負人が引き渡した目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合は、請負人は契約不適合責任を負うことになります。
注文者が請負人に契約不適合責任を追求する場合、まず相当の期間を定めて追完を請求します(例えば補修工事など)。請負人が追完に応じない場合や追完が不能であることが明 ...
2023.09.01
1 家賃滞納
建物を賃貸している場合において,賃借人が家賃を滞納した場合,賃貸人としては,支払うよう催告をし,家賃の回収につとめることになります。
ただ,家賃滞納が何か月も続く場合、賃貸借契約を解除して賃借人に建物から出ていってもらうという判断をすることになります。
2 素直に退去 ...
キーワード
2023.08.18
弁護士の関です。
早いもので私がクレプトマニアクレプトマニア(窃盗症や窃盗依存症ともいいます。以下では、「クレプトマニア」に統一します。)というタイトルで書くようになったコラムも、本コラムで16本目を数えるようになりました。
最近はこのコラムを読んだという方から事務所宛に連絡をいただくこ ...
2023.07.31
日経新聞2023年(令和5年)7月28日
米国の中央銀行FRBは、2023年7月25日・26日開催のFOMCで、0.25%の政策金利の利上げを全会一致で決定。
併せて、FF金利誘導目標を5.25%~5.5%と定めた。
市場予想どおりであり、米国のマーケットは、FRBのインフレ退治成 ...
2023.07.28
弁護士の佐渡です。
私は相続案件を多く扱っており、「借金が多いので相続放棄したい」というご相談をいただくことがあります。
その際、多くの方が疑問に感じているのが、「相続人が全員相続放棄すれば、遺産の不動産はどうなるのだろう?」ということです。
相続放棄は、相続人が被相続人(亡くなっ ...
2023.07.10
音楽の著作権には「演奏権」というものがあり、公で演奏するためには著作権者の許諾が必要となります。
今回はこの演奏権について、誰が演奏権の侵害者の主体であるかを判断した令和4年10月24日最高裁判例について解説していきたいと思います。
第1 演奏権とは
1 著作権法の規定
...
2023.06.23
こんにちは。
弁護士の井上瞳(いのうえひとみ)です。
私は,離婚・男女問題を多く取り扱っており,DV被害者の法的支援にも力を入れて取り組んでいます。
この度,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」(ニュースでは「DV防止法」と報道されることもあります。)の一部の規 ...
2023.06.12
1 これまでのコラムでは、2回にわたり、所有者不明土地が発生するのを事前に防止するための対策について説明してきました。
今回のコラムでは、所有者不明土地が発生してしまった場合にどのように対処するのか、事後の対策について説明したいと思います。
2 所有者不明土地・建物の管理制度
⑴ ...
2023.05.31
米国バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長は、週末連邦債務上限を実質的に引き上げることを基本合意がなったと報道。
来る5月31日にも議会での採決が行われるかも。
上下両院で可決されれば、米国はデフォールト(債務不履行)を回避することができる。
なんとか可決されればと良いなあと ...
2023.05.26
1.詐欺と回収可能性
詐欺の材料はどこにでも転がっているのですが、最近はインターネットによるサービスが発達してきて、より身近になってきたと思います。
フリマアプリで偽物の商品を売るとか、購入した側が、本物の商品に対して偽物とクレームを付けて返品し、偽物とすり替えるような詐欺もあります。
...
2023.05.15
建蔽率と容積率という用語は日常的に聞く用語であり、いずれも「土地にどのくらいの大きさの建物を建てることができるのか判断するための指標」というものです。ただし、両者の規制の目的は似て非なるものです。
建蔽率とは、敷地面積に対する建築面積(水平投影した面積、すなわち建物を真上から見たときの ...
2023.04.14
1 はじめに
給排水管の老朽化や排水口の詰まり等により、漏水が発生することがあります。漏水によって下の階の住人や隣の住人に被害が生じることがあります。
その場合、誰が責任を負うのかが問題となることがあります。
2 占有者又は所有者が責任を負う
民法717条1項は、「土 ...
2023.03.31
弁護士の関です。
今回は私がクレプトマニア(窃盗症や窃盗依存症ともいいます。以下では、「クレプトマニア」に統一します。)の問題に関わることになったきっかけについてお話ししたいと思います。。
当たり前ですが、私は元々クレプトマニアの方の弁護をしたくて弁護士になったわけではありません ...
2023.03.17
こんにちは。
弁護士の井上瞳(いのうえひとみ)です。
私は、これまで離婚・男女問題の解決に注力してきました。
その中で、養育費の不払いに関するご相談をいただくことがあります。
養育費は、お子様を育てるために必要なため、支払われなくなると本当に困りますよね。
今回は、「養 ...
2023.03.01
第1 はじめに
刑事事件の被疑者(報道などでは「容疑者」と表現されることが多いです)として、逮捕されると、最大で23日間にわたって身柄が拘束されることとなります。このように長期間拘束されることで、被疑者には精神的なストレスがかかるだけではなく、会社や学校に行くことができない等という重大な不利益 ...
2023.02.20
遠賀町商工会 令和5年新春講演会 テーマ「コロナ収束後の日本経済」~ 中小企業はどのように動くべきか?
講師は、「そこまで言って委員会NP」でお馴染みのジャーナリスト
1 登壇早々、先生は、聴衆に対し、マスクを外して話をすることの許しを請われました。酸素不足で講演中に発声に支障が出ること ...
2023.01.27
私は弁護士として活動しつつ、令和4年8月に知的財産の専門家と言われる弁理士にも登録させていただきました。
それに伴い、知的財産権、とりわけ商標に関するご相談を受けることが増えてきましたので、今回は商標についてお話させていただきます。
1 商標とは
⑴ 商標の種類
商標 ...
2023.01.10
1 前回の私のコラムでは、所有者不明土地が発生するのを事前に防止するための対策の1つである相続登記の義務化について説明しました。
今回は、もう1つの事前の対策である、相続土地国庫帰属法について説明したいと思います。
2 田舎に住んでいる父から兄弟で山林を相続したけど、自分では山林を利用し ...