記事一覧
2019.10.28
今回は、相続法改正に伴い新設された「預貯金債権の一部行使の制度」について、お話しします。
判例によれば、共同相続された預貯金債権は遺産分割の対象に含まれるため、相続人単独では被相続人の預金の払い戻しは認められません。
しかし相続では、被相続人が亡くなって間もない段階で、被相続人の預金を ...
2019.10.11
今回も,前回に引き続き,民法改正についてお話したいと思います。2017年5月26日に「民法の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が成立し,この改正法は,一部例外はあるものの,2020年4月1日から施行されることになりました。この民法改正ですが,債権関係の規定について,社会・経済の変化への対 ...
2019.09.28
この度、令和元年6月5日に公布された労働施策総合推進法の改正により、パワーハラスメントが定義つけられ、併せて、パワーハラスメント対策が法制化されました。
同法では、パワーハラスメントを、①優越的な関係を背景とした、②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、③就業環境を害するもの、という3つの ...
2019.09.06
1.昨今の人手不足を背景に、少しでも求人の方法を探したいという会社や自営業の方が増えています。
これを狙って、当初はお試しで無料求人広告を出し、解約の連絡をしなければ自動的に有料の契約に移行する、という勧誘が増えており、社会問題となっています。
多くは電話で勧誘し、契約はFAXを利用して行われ ...
2019.08.26
弁護士の吉井です。
先日発生した常磐道でのあおり運転殴打事件に関連し、同乗していた女性として、無関係の女性がインターネット上で名指しされるという事件がありました(※1)。
このような誤った人物特定により無関係の者が誹謗中傷されるという事件は過去何度か起きており、福岡でも、高速道路死亡事故 ...
2019.08.09
今回は,主に初めて株式会社取締役に就任された方を対象として,取締役の法律上の地位(労働者との違い)と,取締役が会社に対してどのような義務を負っており当該義務に違反した場合にどのような法的責任を負うかという点を説明していきたいと思います。
なお,以下は,取締役会設置会社を前提に説明します。
...
2019.07.29
人が自分を幸せと考える瞬間はどんな時? 家族とのだんらん、感動的な芸術作品の鑑賞、人それぞれ。 その一つは他人の不幸情報を聞いたとき、
テレビや週刊誌でお馴染みの芸能タレントの不祥事、離婚の噂が取り上げられる。
テレビ画面や記事の写真の中の有名人の困惑した顔、悲しそうな顔を見たとき、自分はそ ...
2019.07.05
1 マンションの管理費等の滞納がある場合,その区分所有権の特定承継人も,支払義務を負うことになります。例えば,管理費を滞納していたAさんがBさんに,○×マンション806号室を売却した場合,A さんも,Bさんも,管理費の支払義務を負うことになります。管理組合は,Aさんに対しても,Bさんに対しても,滞納 ...
2019.06.21
弁護士の関です。
今回はクレプトマニア(窃盗症や窃盗依存症ともいいます。以下では、「クレプトマニア」に統一します。)に対する弁護士の関わり方について述べたいと思います。
私はこれまでのコラムで、クレプトマニアは疾患であり、罹患しているか否かも専門的知識を有した医師でなければ診断でき ...
2019.06.07
1 遺留分減殺請求権から遺留分侵害額請求権へ
今回は、遺留分減殺請求権(遺留分侵害額請求権)を行使する対象についてお話します。
以前、遺留分減殺請求権の行使の期限についてお話したときに、「遺留分」とは何かということからお話しました。
(詳しくは、前々回のコラムをご参照下さい。)
簡単 ...
2019.05.24
今回も、前回に引き続き、民法改正についてお話したいと思います。2017年5月26日に「民法の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が成立し、この改正法は、一部例外はあるものの、2020年4月1日から施行されることになりました。この民法改正ですが、債権関係の規定について、社会・経済の変化への対 ...
2019.05.17
今回は、職業紹介に関する規制についてご紹介致します。
1 職業紹介
職業紹介とは、職業紹介事業者が求人者と求職者の仲立ちをして、雇用関係の成立をあっせんすることをいいます(職業安定法第4条1項)。ここで、求人とは、対価を支払って自己のために他人の労働力の提供を求めること、求職とは、対価を得る ...
2019.05.04
子どものいる夫婦が離婚をする場合,親権のほかに面会交流をどうするか取り決めることになります。面会交流とは,子どもを監護していない親(非監護親)が子どもと会うことです。子どもにとっては,離婚や別居をしていても,親であることに変わりはなく,多くの場合,面会交流は子どもが親の愛情を直接に肌で感じることので ...
2019.04.08
国や地方自治体などが行った処分に不服がある場合,行政に対して処分の取消や正しい処分を求める手続があります。審査請求とよばれる手続です。行政処分に際して交付される書面の一番下には,審査請求ができることや,その期間,審査請求先が小さな文字で書いてあることが多いのですが,あまり知られていない手続かもしれま ...
2019.03.22
1.事件の相談の中で多い話として、民事の損害賠償請求等に関連して、相手が悪いことをしているから逮捕してほしい、というものがあります。
実際に相手が犯罪相当のことをやっていることはあるのですが、だからといって即時に逮捕してもらえるというものではありません。
むしろ、逮捕してもらえるのはごく一部です ...
2019.03.11
最近、インターネット掲示板に、他人の作成した、いわゆるブラウザクラッシャーのリンクを貼ったことに関し、女子中学生と男性の二人が家宅捜索を受けたとの報道がありました(サンケイスポーツ2019.3.14記事)。
ブラウザクラッシャーは、インターネット黎明期からネット上のいたずらとしてよくある ...
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2019.02.22
問
私は、長女夫婦とその長男である孫と4人暮らしで同居しています。
孫は現在私立の中学に通っており、近々中学を卒業して高校進学をさせたいと考えております。
その場合、公立高校に入る場合もあるし、今通っている私立中学の持ちあがりで私立高校に進学することもあると思います。
とりわけ私立高校の場合 ...
2019.02.11
弁護士の川上修です。今回は、主に創業時の事業者の方に押さえていただきたい契約と契約書に関する基礎知識とポイントをご説明いたします。
Q 契約とは何ですか。
A 分かりやすくいうと、二人以上の当事者の間で売買や賃貸などの一定の法律的効果の発生を目的とした合意をいいます。
...
1 賃借人の過失により第三者に生じた損害については,賃借人が責任を負うことになります。しかしながら,賃貸人も責任を追及される場合があります。
2 次のような事案で,大阪高裁は,賃貸人の損害賠償責任を認めました(大阪高裁平成28年1月28日判決)。民法717条1項の土地工作物責任によりYにも責任 ...